今夜、小便横町で

新宿の思ひで横町のことを小便横町と呼んでいる。
新宿、東口をでてガード下をくぐったあたりに細い小道がありそこに小さな飲み屋が20件くらい連なって店を出している。
今日もバイト先の沖縄出身のミュージシャン志望の男の子と二人でのみに行った。
場所はいつもの中華料理屋。
店の中心に厨房があり席はすべてカウンターで丸いすが並んでいる。非常に狭い空間で飲まなきゃいけないが、安いし飯はうまいからついつい足を運んでしまう。
後、狭いから周りの人と自然と仲良くなれるのが一つの醍醐味だ。
今日も強烈なおばちゃんと仲良くなった。
そのおばちゃんは連れの30代後半の女性をつれて入ってきた。
おばちゃんが気になったきっかけは中国人の男性店員に対して

「あなた日本人ですか?」と話しかけたことだった。
「。。。。中国人です。」と男性従業員が答えると、おばちゃんは少々気まずかったのかしばらく間を置いて
「一生懸命働く姿を見るのってすごく気持ちがいいのよね−。」と話をそらした。

この一連の流れを見てこのおばちゃんが気になり始めた。
話したい。

チャンスは向こうからやってきた。沖縄の子がトイレに行ったときの隣に座っていたおばちゃんが

「ねー。」と急に声をかけてきた。もちろん気になっていたので話の流れはわかっていたが

「え?」と言い返すと

「医者なんてろくなやついないわよねー。えらそうで。」と不平をなぜか俺に行ってきた。

「そうなんですか?もしかして看護士さんですか?」とわかっていたが言い返すとおばちゃんは怒濤のごとく話を始めた。
トイレから帰ってきた沖縄の彼も一緒に夫への不満、種違いの四人兄弟はみんないい子だと言う話を永遠聞かされた。
でも、話が面白かったので嫌な気持ちにはならなかった。

小便横町ではこのような出会いの醍醐味がある。