中野茂樹+フランケンズ 『スピードの中身』

中野茂樹+フランケンズ
『スピードの中身』作:ブレヒト『折り合うことについてのバーデンでの教育劇』より
演出:中野成樹、誤意訳:石神夏希


今日は所沢の航空記念公園の敷地の中にある所沢航空発祥記念館で公演が行われた。

中野茂樹+フランケンズに関してはフェスティバルトーキョーで見て興味を持ち、川崎の新百合ケ丘であった芝居の作り方の後援会みたいなものに参加しただけで本公演は初めてだった。

この団体がやっていることに興味を持った。「すべての人ごとを愛します」という言葉を掲げていて、古典の芝居を現代の感覚に置き換えて翻訳して上演しわかりやすく今の人たちに見てもらう為の芝居を作っている。

例えば、シェークスピアの戯曲をそのまま上演すると外国の話だし、翻訳も今の口語ではなく私的な表現だったりするので主題がとっても伝わりづらい。
シェークスピアの話も良く読むと今も昔も変わらない悩みだったり喜びだったりする。
つまり「難しそうなお芝居も実はこんな話だったんですよ」って事をやっている。


今日の公演はどうだったかというと、その「わかりずらそうな芝居をわかりやすくする」って所では完全に成功していた。

今回難しいなーと思ったのが会場。
中フラの面白いと思ったところが劇場以外での公演の会場選び。
ガラスの動物園を動物園でやったり、欲望という名の列車を電車の中でやったりしてたところだ。
シャレも聞いてるし、一般の人も演劇に取り込めるというところで劇場以外で公演を打つというところで成立している。

正直な話今回は博物館で声が反響する中での公演は役者もやりずらそうな雰囲気があり、劇場でやっても良いんじゃないかって印象を受けた。
逆にその反響の中で伝える為に反響が収まるのを少し待って台詞を言ったり広い場内を大きく使えるのは面白かったが、ガラスの動物園だったり欲望という名の列車よりは物足りないものがあった。

しかし、面白かったので良かった。



中野さんがあみ出した、この芝居の作り方はは演劇界のリデザインと思った。
古い戯曲にもたくさん良いものがありますよーって。