まだ旅の途中

乗り出した船はもしかしたら海岸の付近を行ったり来たりしているだけかもしれないと思うとぞっとする。

時間は無情にも過ぎていき海岸で見送ってくれた人たちももう僕の事を忘れているのかもしれない。

忘れられたら忘れられたで気が楽なのかもしれないがそうでないかもしれないという期待もあり中々岸に引き返せない。引き換えそうにも方位磁針が狂っているようで正確な航路を示してくれない。

この夢という旅にはどうやら地図が必要なようで、そして航海士の免許が必要な事に気付く。当時若かくて、無謀だった僕にはそんなことはわからず船出した。
海の上ではたくさんの船がいてそんな勇気を振り絞って沖に飛び出した船頭が良い航海士に出会いさらに良い地図を得る。

成功は勇者にのみ与えられる。
 
勇気を出せずにそのまま海に沈むか、岸へ帰へ帰り大海を憂い生きるか、勇気を振り絞り沖へ出るか。

どの空は晴れてても感じ方は全く違う。

「晴れてても」か「晴れだなぁ」か「よし、晴れだ」だ。

大きな違い。