愚痴、夢、聞きます。

見に行く予定だった芝居の当日券がとれなくて仕方なく「愚痴夢聞きます」とかいたプラカードを作って街に出た。


このアイデアは新宿で出会った桑ちゃんと言う早稲田大学の青年からパクらせてもらった。

桑ちゃん

桑ちゃんとの話はこれを見てください。http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1054134891&owner_id=1655456







とりあえず最寄りの駅に出かけた。駅前はなんか催し物をやっていてそれなりに賑わっていて、ここでは逆に人が捕まらないと思った賑わいとは少し離れた場所に陣取った。

プラカードを持ちしばらく待ったが行き交う人はなかなか関心を示してくれない。見てくれたとしても何やってんだという冷ややかな視線か、笑って通り過ぎる人ばかり。そりゃあ当たり前かと思いながら、風の吹き荒れる中「愚痴や夢がある人」を待ち続けた。


すると、何やってんのと声をかけられた。
















ホームレスのおばあちゃんだった。

最初はおじさんかなと思ったが、声でおばさんと判断できた。
おばちゃんはOさんと言い僕と同じ九州出身だったのですぐに意気投合した。


ついにおばちゃんは愚痴を話し始めてくれた。内容は一年間でへそくりした8万円を他のホームレスに奉仕した件だった。カラオケに連れて行ったり、飲みに連れて行ったりと、一晩で使い切ってしまったらしい。

今時この不景気のなかで家がある人の中でここまでできる人がいるだろうかと思った。

だが、他のホームレスたちは一切それから恩返しもしないし、お礼の言葉すらないらしい。

おばあちゃんがかわいそうだ。















その話を何回も聞かされていたら、急に催し物がある方面から「東京ブギウギ」がかかり始めた。すると、おばあちゃんが立ち上がり踊り始めた。
「上手ですね」と言うと、「好きだからね」と言った。
なんかジーンときた。

そっからは昔話が始まった。
ダンスホールに通った話から2メートルの幽霊を見た話とか、一番びっくりしたのは昔ミス別府だったらしいことだ。
よく見ればきれいな顔立ちをしているように思える。


なぜ、そんな人が今はホームレスをしなくちゃいけないのかよくわからない。

それについて聞きたかったが、今日は彼女の愚痴を聞く日だからやめた。




おばちゃんは終止,
僕をほめてくれた。

オカマバーで働いたらもてるよーとか、日本橋のクラブで働いたらママにきにいられるよーとかいろいろ。


話の途中、Oさんが急にしおらしい雰囲気になって


「200円ちょうだい」と言った。




それに対して私は「今ない。」と拒絶した。


あげてもよかったがとっさにそう言ってしまった。なぜだかわからない。


もし、Mの口駅に遊びにきたときにこのおばあちゃんに話しかけて200円をあげたら、きっと喜ぶと思います。